
電力会社を選ぶとき、料金プランだけでなく「どのような電源から調達しているのか」「電気の生産者や発電所について、どこまで情報を確認できるのか」を基準にしたい人もいるでしょう。
みんな電力は「顔の見える電力™」を掲げ、電力の生産者が分かり、そのストーリーを感じられることを特徴としています。契約している発電所の一覧だけでなく、発電施設周辺や設備の説明なども公開しており、「電気をつくる側」を意識できる情報提供が特徴です。
一方、電源構成や再生可能エネルギー(以下、再エネ)に関する考え方、情報公開の方法は電力会社によって異なります。
例えば、「再エネ100%」という表現と、非化石証書を利用した「実質再エネ」の考え方は同じではありません。また、電源構成を公開していても、発電所まで紹介しているサービスもあれば、電源種別を中心に公開しているサービスもあります。
そこで本記事では、みんな電力、ハチドリ電力、さすてな電気、生活クラブでんき、Looopでんきの5サービスについて、順位を付けるのではなく、主に次の観点から比較します。
- 電気の中身や電源構成をどのように説明しているか
- 発電所・生産者まで確認できるか
- 「再エネ」「実質再エネ」をどのように扱っているか
- 電源に関する情報をどのように公開しているか
- 選択できるプランやサービスにどのような特徴があるか
- 料金がどのような仕組みで決まるか
「料金だけで電力会社を比較するのではなく、電気の由来や情報公開の方法も確認して選びたい」という場合に、比較材料として活用してください。
なお、電源構成は電気事業者が公表するもので、年度や時期などによって変わる可能性があります。契約を検討する際には、その時点で各社が公表している情報や契約条件を確認することが重要です。
まず知っておきたい「再エネ100%」と「実質再エネ」の違い
電力会社の電源構成を比較する前に理解しておきたいのが、「再エネ100%」と「実質再エネ」という表現の違いです。
似た言葉に見えますが、どのような電気を調達し、どのような方法で環境価値を扱っているのかという点で区別して確認する必要があります。
再エネ電源そのものと環境価値は分けて考える
太陽光、風力などの再エネ発電設備で発電された電気と、その電気が持つ非化石価値・環境価値は、制度上分けて取引される場合があります。
そのため、「契約している小売電気事業者がどのような発電設備から電気を調達しているのか」と「非化石証書などを利用して、どのような価値を付与しているのか」は分けて確認することが大切です。
電源構成を重視する場合は、「再エネ」という言葉だけを見るのではなく、各社が公開している電源構成や説明まで確認すると違いを把握しやすくなります。
「実質再エネ」は非化石証書などを組み合わせる考え方がある
小売電気事業者が調達した電気そのものが再エネ由来ではない場合でも、再エネ指定の非化石証書などを組み合わせることで、実質的に再エネとして扱う商品・プランがあります。
本記事で比較する「さすてな電気」は、この違いを確認しやすい例です。
東京ガスは、さすてな電気の主な電源がLNG火力であることを公式サイト上で明記し、そのうえで再エネ指定の非化石証書を購入することによって、CO2排出量を実質ゼロとする仕組みを説明しています。
さらに、非化石証書市場の状況によってはCO2排出量実質ゼロにならない場合があることについても注記しています。
したがって、「実質再エネ」という表示を見る場合は、電源構成そのものだけでなく、非化石証書がどのように利用されているのかも確認する必要があります。
トラッキング情報も確認材料になる
非化石証書について確認するときは、環境価値だけでなく、その由来をどこまで確認できる仕組みになっているかも比較材料になります。
「再エネ」という言葉だけから発電所まで特定できるとは限りません。そのため、電源の由来を重視する場合は、各社が発電所、生産者、電源構成、非化石証書の使用状況などをどの程度公開しているのかを見ることが重要です。
契約した発電所の電気だけが自宅へ直接届くわけではない
もう一つ重要なのが、電気の物理的な流れです。
特定の発電所を紹介している電力会社と契約したとしても、その発電所で生まれた特定の電子だけが自宅まで直接送られてくるわけではありません。
発電された電気は送配電網を通じて供給されます。
そのため、「発電所が見える」というサービスは、物理的に特定の発電所から自宅まで専用の電線で電気を届けるという意味ではなく、電力の調達先や生産者、電源の背景などを情報として確認できる仕組みとして理解することが重要です。
この点を踏まえたうえで、5社が「電気の中身」をどのように説明しているのかを見ていきます。
みんな電力|「顔の見える電力™」で生産者や発電所を確認できる

出典:みんな電力公式サイト
みんな電力は、株式会社UPDATERが運営する電力サービスです。
「顔の見える電力™」を掲げ、電力の生産者が分かり、その背景にあるストーリーを感じられることを特徴としています。
電源構成という数値だけを見るのではなく、「誰が、どのような場所で電気をつくっているのか」という部分まで確認したい場合に注目したいサービスです。
電気の中身・電源に対する考え方
みんな電力の大きな特徴は、電気の生産者を意識したサービス設計です。
契約している発電所について情報を公開しており、発電施設周辺や設備の説明なども確認できます。
電力会社を比較するときには電源種別の構成を見る方法がありますが、みんな電力の場合は、それに加えて「電気をつくっている人や場所」という観点から確認できることが特徴です。
発電所の「見える化」
みんな電力では、契約している発電所の一覧を公開しています。
また、発電施設そのものだけでなく、施設周辺や設備についての説明、風力発電施設の案内ページなども用意されています。
そのため、「再エネを扱っているか」という点だけではなく、「どのような発電施設なのか」というところまで確認しながら電力サービスを検討できます。
ただし、前述したとおり、紹介されている特定の発電所から特定の電子が自宅へ直接届くという意味ではありません。送配電網を通じて電気が供給される仕組み自体は、電力会社を切り替えても共通です。
電源調達方針
みんな電力では、電源を調達する際の考え方についても案内しています。
環境破壊につながる開発行為を行っていないことや、地域住民との合意形成などの電源調達方針を了解した発電者から電気を調達するとしています。
単に電源の種類を見るだけでなく、「どのような方針で調達先を選んでいるのか」を確認できることも、電気の中身を比較する際の材料になります。
電気料金と発電者との関係
みんな電力では、電気料金の一部が発電者に届く仕組みを案内しています。
電気を利用する側と発電する側の関係性を意識した仕組みであり、「誰がつくった電気なのか」という情報公開とあわせて確認したいポイントです。
一方、本記事では料金の安さを比較軸としていません。
電力会社を変更した結果として実際の電気料金が下がるかどうかは、契約条件や使用状況、時期などによって異なり、高くなる場合もあります。契約前には料金の決まり方や各種調整項目を確認する必要があります。
切り替え手続き
みんな電力では、オンラインで申し込みでき、申し込み手続きの目安を約5分と案内しています。
切り替えにあたってソーラーパネルを設置する必要はなく、電線の工事も不要としています。また、現在契約している電力会社への連絡も不要と案内されています。
そのため、発電所や生産者が見えるサービスであっても、自宅に専用の発電設備や送電設備を設置する仕組みではありません。
法人向けサービス
みんな電力を運営する株式会社UPDATERでは、法人向けの脱炭素サービスも展開しています。
家庭向けの電力契約だけではなく、法人として電力や脱炭素に関する取り組みを検討する場合にもサービスがあります。
家庭での契約を検討している場合は、法人向けサービスと混同せず、家庭向けの契約条件を確認してください。
みんな電力を比較するときのポイント
みんな電力を見る際は、単に「再エネかどうか」だけではなく、発電者や発電所に関する情報をどこまで確認できるのかに注目すると特徴を理解しやすくなります。
特に、電力の生産者、発電施設、設備や周辺情報、電源調達方針など、「電気がつくられる背景」を確認してから契約先を検討したい人にとって比較材料が多いサービスです。
料金面については、使用状況や時期、契約条件などによって負担が変わる可能性があります。電源の見える化だけで決めるのではなく、料金の決まり方や供給条件も併せて確認することが大切です。
ハチドリ電力|電源構成の公開と社会活動への支援を組み合わせた仕組み

出典:ハチドリ電力公式サイト
ハチドリ電力は、株式会社ボーダレス・ジャパンが運営する電力サービスです。
「CO2排出ゼロの自然エネルギー100%」を届けると説明しており、電源構成も公開しています。
また、電気の利用と社会活動への支援を組み合わせている点も特徴です。
電気の中身・電源構成
ハチドリ電力では、自然エネルギー100%としてサービスを案内し、電源構成を公開しています。
電気の中身を基準に比較する場合、「再エネをうたっているか」だけで判断するのではなく、公開されている電源構成を確認することが重要です。
また、電源構成は年度や時期などによって変わる可能性があります。契約を検討する時点で公開されている情報を確認してください。
CO2に関する表示の確認
ハチドリ電力は「CO2排出ゼロの自然エネルギー100%」を届けると説明しています。
これは同社がサービスについて行っている説明であり、本記事では電力利用による環境への効果そのものを断定するものではありません。
電力サービスの環境面を比較する際には、各社が示す電源構成や環境価値に関する説明、適用される仕組みを確認したうえで判断することが大切です。
電気代の一部を社会活動の支援につなげる仕組み
ハチドリ電力では、電気代の1%が非営利活動の支援になる仕組みを設けています。
支援先として案内されている分野は、子供の貧困・教育、国際協力、医療・難病、障がい・社会福祉、男女平等、LGBT、過疎・まちづくり、自然環境の保護、動物愛護、出産・子育て、災害復興・防災などです。
電源構成だけでなく、毎月の電気利用と社会活動への支援を結び付けて考えたい場合には、この仕組みも比較ポイントになります。
太陽光発電に関するサービス
ハチドリ電力では、自宅の屋根で発電する「おうちの太陽光発電」も案内しています。
小売電力の切り替えと、自宅で発電する仕組みは分けて考える必要がありますが、家庭での電気のつくり方・使い方を幅広く検討したい場合には確認しておきたいサービスです。
切り替え後の電気の品質
ハチドリ電力では、電力会社を切り替えても電気の品質は変わらないと説明しています。
これは、電力会社を変更したからといって家庭までの送配電網そのものが別のものになるわけではないためです。
「自然エネルギーを扱う電力会社に切り替えると、電気が不安定になるのではないか」と考える必要はありません。小売電気事業者を変更すること自体によって、停電しやすくなるという仕組みではありません。
法人・多言語への対応
ハチドリ電力には多言語ページが用意されているほか、法人向けプランもあります。
家庭向けだけでなく法人での利用を検討する場合にも選択肢がありますが、契約条件は利用形態によって確認する必要があります。
ハチドリ電力を比較するときのポイント
ハチドリ電力は、公開されている電源構成を確認しながら選べることに加え、電気代の1%を非営利活動の支援につなげる仕組みが特徴です。
そのため、電源の中身だけではなく「電気を使うことをどのような活動につなげているのか」という視点も含めて比較できます。
一方で、実際の電気料金は利用状況、時期、契約条件などによって異なり、切り替えによって高くなる場合もあります。電源構成や支援の仕組みとともに、契約条件を確認して判断することが大切です。
さすてな電気|主な電源と非化石証書の仕組みを明示した「実質再エネ」タイプ

出典:さすてな電気公式サイト
さすてな電気は、東京ガス株式会社が提供する電力サービスです。
今回の5社比較では、「実際の電源」と「非化石証書を利用した実質再エネ」の違いを理解するうえで確認しておきたいサービスです。
東京ガスは、さすてな電気の主な電源がLNG火力であることを明記しています。そのうえで、再エネ指定の非化石証書を購入する仕組みについて説明しています。
主な電源はLNG火力と明記
さすてな電気について特徴的なのは、東京ガスが「主な電源はLNG火力」であることを明記している点です。
「実質再生可能エネルギー」と聞くと、供給する電気そのものがすべて再エネ発電設備から調達されているように受け取る場合があるかもしれません。
しかし、さすてな電気では主な電源について明示したうえで、非化石証書を組み合わせる仕組みを説明しています。
電気の中身を比較する場合には、このように「実際の電源」と「付与される環境価値」を分けて確認することが重要です。
再エネ指定の非化石証書を利用
東京ガスは、再エネ指定の非化石証書を購入することで、さすてな電気についてCO2排出量を実質ゼロとすると説明しています。
非化石証書は、非化石電源が持つ価値を証書として取引する仕組みです。
そのため、実際に調達している電源そのものと、証書によって付加される価値は区別して理解する必要があります。
「実質再エネ」のプランを検討する場合には、名称だけでなく、どのような電源と証書を組み合わせているのかを確認すると比較しやすくなります。
非化石証書市場に関する注記も確認
さすてな電気では、非化石証書市場の状況によってはCO2排出量実質ゼロにならない場合があることも注記されています。
これは契約前に確認しておきたいポイントです。
「実質ゼロ」という言葉だけを切り取って理解するのではなく、成立するための条件や例外についても確認する必要があります。
本記事でも、CO2排出そのものが無条件にゼロになる、あるいは環境への影響がなくなるという意味では扱いません。
電源構成・CO2排出・非化石証書使用状況を公開
東京ガスでは、さすてな電気について詳細な電源構成、CO2排出、非化石証書の使用状況を公開しています。
「実質再エネ」という仕組みを理解するうえでは、こうした情報が公開されているかどうかも重要な比較軸です。
発電所の生産者やストーリーを中心に見せるサービスとは情報公開の方向性が異なり、電源構成と証書の使用状況を確認しながら判断するタイプと整理できます。
料金の決まり方を見るポイント
さすてな電気は、東京電力スタンダードS/Lと同水準の料金と案内されています。
ただし、「同水準」という案内から、すべての家庭で電気料金が下がると判断することはできません。
実際の負担は使用状況、契約条件、時期などによって異なり、条件によっては高くなる場合もあります。
料金を確認するときは、基本的な料金体系だけではなく、燃料調整に関する扱いや再エネ賦課金など、請求額に関係する項目も含めて契約時点の条件を確認することが大切です。
さすてな電気を比較するときのポイント
さすてな電気は、「実質再エネ」がどのような考え方で成立しているのかを確認しながら選びたい場合に比較しやすいサービスです。
主な電源がLNG火力であること、再エネ指定の非化石証書を購入すること、さらに証書市場の状況による注記まで確認できます。
「再エネ」という表示だけで選ぶのではなく、実際の電源と環境価値を分けて理解したい場合は、公開情報を確認して判断するとよいでしょう。
生活クラブでんき|再エネ比率とエリア別の調達電源種別を月次で公開

生活クラブでんきは、生活クラブエナジーが運営する電力サービスです。
「つくる人」と「つかう人」をつなぐことをコンセプトとしており、電源の8割以上が再生可能エネルギーであると公表しています。
また、「調達電源種別」をエリア別に月次で公開している点が、今回の「電源の中身と見える化」という比較軸で注目したいポイントです。
電源の8割以上が再エネと公表
生活クラブでんきは、電源の8割以上が再生可能エネルギーであると公表しています。
この割合は料金の割引率などではなく、電源構成に関する情報です。
ただし、電源構成は年度や時期などによって変わる可能性があります。契約時には、その時点で公表されている情報を確認してください。
また、「再エネ」という表示を確認する際には、電源構成そのものと非化石証書などによる環境価値を区別して確認することも重要です。
調達電源種別をエリア別・月次で公開
生活クラブでんきでは、「調達電源種別」をエリア別に月次で公開しています。
電源構成を確認したい人にとって、「公開しているか」だけでなく「どの単位・頻度で確認できるのか」も比較ポイントになります。
年度単位の情報だけではなく、月ごとの情報を確認したい場合に判断材料となる公開方法です。
また、エリア別に公開されているため、自分が利用する地域について確認することができます。
全国の発電所を紹介
生活クラブでんきでは、全国の発電所を紹介するページも公開しています。
電源種別の割合だけではなく、どのような発電所が関係しているのかを知るための情報が提供されています。
みんな電力も発電所に関する情報を公開していますが、各サービスで情報の見せ方やコンセプトは異なります。
「発電所まで確認したい」という場合は、単純に公開の有無だけを見るのではなく、どのような情報が掲載されているのかまで確認して比較するとよいでしょう。
3つの契約プラン
生活クラブでんきには、スタンダード、時間帯別、再エネ100%の3つの契約プランがあります。
電源の考え方だけでなく、生活スタイルや契約目的に応じてプランを検討できる点が特徴です。
ただし、プランによって条件が異なるため、「再エネ100%」という名称だけで判断せず、対象となる電源や環境価値、料金の決まり方、契約条件などを確認することが重要です。
また、実際の電気料金は使用状況、選択するプラン、時期などによって異なり、高くなる場合もあります。
電気を「つくる人」と「つかう人」をつなぐ考え方
生活クラブでんきは、「つくる人」と「つかう人」をつなぐことをコンセプトにしています。
電気を単なる商品として捉えるだけではなく、その電気がどこでつくられているのかを意識できる情報を提供している点は、今回の比較軸と関係します。
電源種別の公開と発電所の紹介を併せて確認することで、サービスが電気の中身をどのように伝えているのかを把握しやすくなります。
電力以外の関連サービス
生活クラブでんきでは、健康・自然エネルギー基金や太陽光余剰電力買取サービスも案内しています。
電力会社の切り替えだけではなく、自宅の太陽光発電なども含めて電気との関わり方を検討する場合には、関連サービスも確認材料になります。
生活クラブでんきを比較するときのポイント
生活クラブでんきは、電源の8割以上が再エネと公表していることに加え、調達電源種別をエリア別・月次で公開している点が特徴です。
「電源構成を公開しているか」という二択だけではなく、「どの程度継続的に情報を確認できるか」を重視する場合にも比較しやすいでしょう。
さらに、発電所の紹介ページもあるため、電源種別と発電所の両面から確認できます。
Looopでんき|市場連動型の料金と「でんき予報」で利用時間を考えられる

Looopでんきは、株式会社Looopが運営する電力サービスです。
今回の比較では、ほかの4社とは少し異なり、「料金の決まり方」という観点を理解するために比較対象としています。
「スマートタイムONE(電灯)」は市場連動型プランで、電源料金が30分ごとに変わる仕組みです。
市場連動型プランという料金の決まり方
スマートタイムONE(電灯)は、電力市場の価格変動が料金に反映される市場連動型のプランです。
固定された単価を前提に利用するタイプとは料金の決まり方が異なり、電源料金が30分ごとに変わります。
そのため、Looopでんきを比較するときは、単純に「料金が高い・安い」と見るのではなく、「どのような仕組みで料金が変動するのか」を理解することが重要です。
市場が落ち着いている時期と高騰時の両方を考える
Looopでんきは、市場が落ち着いている時期、主に春や秋には、従来の固定単価のプランより安くなるケースがあると説明しています。
一方で、市場価格が高騰した際、主に夏や冬には高くなるリスクがあることも明記しています。
したがって、「市場連動型だから電気代が安くなる」と断定することはできません。
電気を使用する時間帯や季節、市場の状況などによって結果が異なり、固定単価型のプランより高くなる場合もあります。
なお、上限単価が設定されています。
「でんき予報」で利用時間を考える
Looopでんきでは、「でんき予報」によって値段の安い時間帯を確認できる仕組みを提供しています。
市場連動型では時間帯によって料金に関係する価格が変動するため、いつ電気を使うかを意識することが契約後の使い方に関係します。
例えば、時間をずらせる家電を利用する場合などは、でんき予報を確認しながら利用時間を検討するという使い方が考えられます。
ただし、利用時間を調整すれば必ず電気料金が下がるというものではありません。市場価格や実際の電力使用量などによって異なります。
電源の見える化とは異なる比較ポイント
今回の5社比較において、Looopでんきは、みんな電力のような「発電者・発電所の見える化」、生活クラブでんきのような「月次の調達電源種別」と同じ特徴を比較するために選んでいるわけではありません。
主な比較ポイントは、電力サービスを選ぶ際には電源構成だけではなく、「料金が固定的に決まるタイプなのか、市場の動きが反映されるタイプなのか」という違いも確認する必要があることです。
再エネや電源構成を重視して選ぶ場合であっても、最終的な契約では料金の決まり方を確認する必要があります。
契約期間と解約手数料
スマートタイムONE(電灯)については、解約手数料がなく、契約期間の縛りもありません。
電力サービスを比較するときは、申し込み時だけではなく、将来的に契約を変更・終了するときの条件も確認しておくことが重要です。
ほかのサービスについても、契約前にはその時点で適用される最低利用期間や解約時の扱いを確認してください。
問い合わせ窓口
Looopでんきでは、年中無休で9時から20時まで対応するコンタクトセンターを案内しています。
市場連動型の料金体系について分からない点がある場合には、契約前に仕組みや条件を確認しておくことが大切です。
Looopでんきを比較するときのポイント
LooopでんきのスマートタイムONE(電灯)は、電源料金が30分ごとに変わる市場連動型であることが大きな比較ポイントです。
市場が落ち着いている時期には固定単価型より安くなるケースがある一方、市場が高騰した場合には高くなるリスクがあります。
そのため、「電気の中身」だけで電力会社を決めるのではなく、「料金の決まり方をどの程度理解して利用できるか」という視点を加えるための比較対象として確認するとよいでしょう。
5社の電源構成・見える化・料金の決まり方を比較
ここまで紹介した5サービスを、「電気の中身と見える化」という観点から整理します。
料金の金額そのものではなく、電源に関する情報をどのように提供しているのか、どのような仕組みを採用しているのかを比較しています。
| サービス | 電気の中身・再エネに関する説明 | 発電所・電源の見える化 | 情報公開の特徴 | プラン・サービスの特徴 | 料金の決まり方で見るポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| みんな電力 | 「顔の見える電力™」を掲げ、生産者や電源の背景を伝えている | 契約している発電所の一覧、施設周辺・設備の説明、風力発電施設の案内などを公開 | 発電者や発電所のストーリーに踏み込んだ情報を確認できる | 電気料金の一部が発電者に届く仕組み。法人向け脱炭素サービスも展開 | 発電者との関係だけでなく、契約時の料金条件や調整項目を確認 |
| ハチドリ電力 | 「CO2排出ゼロの自然エネルギー100%」を届けると説明 | 電源構成を公開 | 電源構成とあわせて社会活動への支援の仕組みを確認できる | 電気代の1%が非営利活動への支援になる。おうちの太陽光発電、法人向けプラン、多言語ページも用意 | 使用状況・時期・契約条件などによって負担が変わる可能性を確認 |
| さすてな電気 | 主な電源はLNG火力。再エネ指定の非化石証書を利用する「実質再生可能エネルギー」タイプ | 詳細な電源構成、CO2排出、非化石証書使用状況を公開 | 実際の主な電源と証書利用を分けて説明。証書市場についての注記も掲載 | 非化石証書を利用した実質再エネの仕組み | 東京電力スタンダードS/Lと同水準と案内。実際の負担は使用状況等によって異なる |
| 生活クラブでんき | 電源の8割以上が再エネと公表 | 全国の発電所を紹介 | 調達電源種別をエリア別・月次で公開 | スタンダード・時間帯別・再エネ100%の3プラン。関連サービスも展開 | 選ぶプランや使用状況、時期などを含めて確認 |
| Looopでんき | 今回は主に料金決定方式の違いを確認する対象 | 今回の比較では料金変動の見える化に注目 | 「でんき予報」で値段の安い時間帯を確認できる | スマートタイムONE(電灯)は市場連動型。解約手数料・契約期間の縛りなし | 電源料金が30分ごとに変動。市場高騰時には高くなるリスクがあり、上限単価を設定 |
このように、5社は「電気を利用するサービス」という点では共通していても、利用者に見せている情報や契約時に注目すべきポイントは異なります。
みんな電力は発電者や発電所そのものに関する情報、ハチドリ電力は電源構成と社会活動への支援、さすてな電気は実際の主な電源と非化石証書の関係、生活クラブでんきはエリア別・月次の調達電源種別、Looopでんきは市場連動型の料金変動という観点から比較できます。
どれか一つの基準だけで優劣を決めるのではなく、自分が「何を確認してから電力会社を選びたいのか」を明確にすることが重要です。
電気の中身で電力会社を選ぶときの7つのポイント
料金比較だけでは分かりにくい電力サービスの違いを確認するためには、電源構成、情報公開、契約条件を分けて考えると整理しやすくなります。
「再エネ」という言葉だけで判断しない
最初に確認したいのは、「再エネ」が具体的に何を意味しているかです。
再エネ発電設備から調達する電気と、非化石証書などを組み合わせることで実質的に再エネとして扱う電気は、仕組みが異なります。
どちらが一律に優れているということではありません。
重要なのは、各社がどのような仕組みを採用し、それをどこまで説明しているかを理解したうえで、自分が重視する基準に合うものを選ぶことです。
電源構成をどの程度公開しているかを見る
「電源構成を公開している」といっても、情報の粒度は同じとは限りません。
電源種別を公開しているサービス、発電所を紹介しているサービス、発電者や設備周辺の情報まで紹介しているサービスなどがあります。
また、公開頻度も重要です。
生活クラブでんきのように調達電源種別をエリア別・月次で公開している例もあります。
電源構成は年度や時期によって変わる可能性があるため、一度公開された情報だけでなく、継続して確認できるかという視点も持っておくとよいでしょう。
発電所単位まで確認したいかを考える
「再エネを利用したい」という希望と、「どこの発電所なのかまで知りたい」という希望は必ずしも同じではありません。
みんな電力では契約している発電所の一覧や施設に関する説明があり、生活クラブでんきでも全国の発電所を紹介しています。
一方、さすてな電気では電源構成、CO2排出、非化石証書の使用状況といった情報から仕組みを確認できます。
どの情報を重視するかによって、確認すべきページや項目が変わります。
情報の「見える化」と物理的な電気の流れを混同しない
発電所や生産者が公開されているサービスを選んでも、その発電所から自宅へ専用線で電気が届けられるわけではありません。
実際に家庭へ届く電気は送配電網を通じた共通のものです。
したがって、「顔が見える」「発電所が分かる」といった仕組みは、特定の電子を追跡して家庭まで届けることではなく、電力の調達や生産者との関係を情報として確認できるものと考える必要があります。
この違いを理解しておけば、「電気の中身を見る」という言葉の意味をより正確に比較できます。
料金がどのように決まるかを確認する
電源構成を重視する場合でも、料金の仕組みを確認せずに契約することは避けたいところです。
特に確認したいのは、固定的な料金体系なのか、市場価格の変動を受ける仕組みなのかという点です。
LooopでんきのスマートタイムONE(電灯)のような市場連動型では、市場が落ち着いている時期に固定単価型より安くなるケースがある一方、市場が高騰すると高くなるリスクがあります。
電力会社を切り替えれば電気料金が必ず下がるわけではありません。利用量、使用時間帯、季節、市場環境、契約条件などによっては以前より高くなる可能性もあります。
プランの選択肢を確認する
同じ電力会社でも、複数のプランが用意されている場合があります。
例えば生活クラブでんきでは、スタンダード、時間帯別、再エネ100%の3プランがあります。
「電源の中身を重視する」という目的があっても、実際に契約するプランによって条件が異なる可能性があるため、サービス名だけで判断せず、自分が申し込むプランの内容を確認してください。
自分が重視する「見える化」を決める
電力会社によって、見える情報の方向性が異なります。
発電者や発電所のストーリーを知りたいのか、電源構成の内訳を確認したいのか、非化石証書の利用状況まで確認したいのか、月次で電源情報を追いたいのか、料金が変動する時間を確認したいのかによって、適した情報の見方は変わります。
「情報公開が多いか少ないか」という単純な基準ではなく、自分が知りたい情報が公開されているかを基準にすると比較しやすくなります。
電力会社を切り替える前に確認したい契約条件
電源構成や再エネの考え方に納得できても、すぐに申し込むのではなく、契約条件も確認しましょう。
特に次の項目は、申し込み前にチェックしておきたいポイントです。
供給エリア
電力サービスによって供給対象となるエリアは異なる場合があります。
同じサービスでも、地域や契約形態によって申し込み条件が異なる可能性があるため、自宅が供給対象になっているかを確認してください。
最低利用期間と解約時の扱い
契約期間や解約条件も確認が必要です。
LooopでんきのスマートタイムONE(電灯)は、解約手数料と契約期間の縛りがないと案内されています。
ほかのサービスを含め、条件が変更される可能性もあるため、実際に申し込む際には最低利用期間、解約時の扱いなどを契約条件で確認してください。
支払方法
利用できる支払方法も契約前に確認しておきたい項目です。
希望する決済方法に対応しているかだけでなく、申し込み時に何を登録する必要があるのかも確認すると手続きを進めやすくなります。
燃料調整費や市場連動の有無
毎月の電気料金を考えるときは、基本的な料金体系だけを見るのではなく、燃料価格や電力市場の価格変動がどのように反映されるかを確認することが重要です。
特に市場連動型は、固定単価を中心とするプランとは料金変動の仕組みが異なります。
契約前に「どの項目が変動するのか」「どのような場合に負担が増える可能性があるのか」を確認してください。
再エネ賦課金
電気料金を確認する際には、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)の扱いも確認する必要があります。
再エネを特徴とする電力サービスを選んだからといって、料金に関するすべての項目がなくなるわけではありません。
請求額がどのような項目から構成されているのかを確認したうえで比較することが重要です。
集合住宅の契約形態
マンションやアパートなどの集合住宅でも、各戸が個別に電力会社と契約できる状態であれば、切り替えを検討できる場合があります。
一方、建物全体で一括受電契約をしている場合などは、各戸が自由に小売電気事業者を切り替えられないことがあります。
集合住宅に住んでいる場合は、現在の契約形態や建物側の条件を確認してください。
電力会社の切り替えでは工事が必要?
新しい電力会社を検討するとき、「電線の工事が必要なのか」「停電しやすくならないか」という点が気になる人もいるでしょう。
通常は電線を新しく引く切り替えではない
小売電気事業者を変更することは、家庭まで専用の電線を新しく引くこととは異なります。
既存の送配電網を利用して電気が届けられるため、電力会社ごとに別々の電線が自宅へつながるわけではありません。
みんな電力も、切り替え時に電線の工事は不要と案内しています。
スマートメーターを確認する
電力会社の切り替えでは、電力量計がスマートメーターになっているかが関係する場合があります。
現在の設備状況によって必要となる対応が異なる可能性があるため、申し込み時の案内を確認してください。
「新電力へ変更するなら大規模な設備工事が必要」と一律に考える必要はありません。
現在の電力会社への連絡
切り替え時に現在の電力会社へ自分で解約連絡をする必要があるかどうかも確認しておきましょう。
みんな電力では、現在の電力会社への連絡は不要と案内しています。
手続きの方法は契約状況などによって確認が必要になるため、実際の申し込み時には切り替え先の案内に沿って進めてください。
小売電気事業者を変えても停電のしやすさは変わらない
電力会社を切り替えると停電が増えるのではないかと心配する人もいるかもしれません。
しかし、家庭まで電気を届ける送配電網は、小売電気事業者ごとに別々に用意されるものではありません。
そのため、小売電気事業者を変更したこと自体によって停電しやすくなるという仕組みではありません。
また、ハチドリ電力も、切り替えても電気の品質は変わらないと説明しています。
「どの発電所の電気を調達しているか」という小売サービスの特徴と、「家庭まで電気を安定して届ける送配電の仕組み」は分けて理解するとよいでしょう。
目的別に見る5社の比較方法
5社にはそれぞれ異なる特徴があるため、単純な順位を付けるよりも、自分が知りたい情報に合わせて比較する方法が適しています。
生産者や発電所の背景まで確認したい場合
発電所の所在地や設備だけではなく、生産者や発電の背景まで意識して電力会社を選びたい場合は、みんな電力の公開情報を確認するとよいでしょう。
「顔の見える電力™」を掲げ、契約している発電所の一覧や発電施設周辺・設備について説明しています。
また、電源調達方針についても案内されているため、「どこから調達しているか」だけではなく「どのような考え方で調達しているか」を確認できます。
電源構成と社会活動への支援を併せて考えたい場合
ハチドリ電力は、電源構成を公開するとともに、電気代の1%を非営利活動の支援につなげる仕組みを設けています。
そのため、電源構成だけではなく、電気の利用と社会活動への支援を組み合わせた仕組みに関心がある場合に比較できます。
支援対象となる分野が幅広く案内されているため、どのような活動につながるのかも確認するとよいでしょう。
「実質再エネ」の仕組みを確認して選びたい場合
さすてな電気では、主な電源がLNG火力であることを明記しながら、再エネ指定の非化石証書を購入する仕組みを説明しています。
詳細な電源構成、CO2排出、非化石証書の使用状況も公開しています。
「実質再エネ」という表示について、実際の電源と証書の関係を分けて確認したい場合に比較しやすいサービスです。
電源種別を継続的に確認したい場合
生活クラブでんきでは、調達電源種別をエリア別・月次で公開しています。
また、電源の8割以上が再エネと公表し、全国の発電所を紹介するページもあります。
電源構成について、一時点の情報だけではなく月ごとの情報も確認したい場合にチェックするとよいでしょう。
市場価格を意識して電気を使いたい場合
LooopでんきのスマートタイムONE(電灯)は、電源料金が30分ごとに変わる市場連動型です。
「でんき予報」で値段の安い時間帯を確認できるため、料金の変動を見ながら電気を利用する時間を考えたい場合に比較できます。
ただし、市場価格が高騰した場合には料金が高くなるリスクもあります。
「安い時間に使えば必ず節約できる」という仕組みではないため、市場連動型の特徴とリスクを理解したうえで検討することが重要です。
よくある質問
Q. みんな電力はほかの電力会社と何が違いますか?
みんな電力は「顔の見える電力™」を掲げ、電力の生産者が分かり、そのストーリーを感じられることを特徴としています。
契約している発電所の一覧、発電施設周辺や設備の説明なども公開しているため、「どのような発電所や生産者と関係する電気なのか」を確認しながら選べる点が特徴です。
また、環境破壊につながる開発行為を行っていないことや、地域住民との合意形成などの電源調達方針を了解した発電者から電気を調達するとしています。
Q. 「再エネ100%」と「実質再エネ」は同じ意味ですか?
同じ仕組みとは限りません。
再エネ電源から調達された電気と、再エネ指定の非化石証書などを組み合わせて実質的に再エネとして扱う仕組みは分けて考える必要があります。
例えば、さすてな電気では主な電源がLNG火力であることを明記し、再エネ指定の非化石証書を購入することでCO2排出量を実質ゼロとすると説明しています。
契約時には「再エネ」という名称だけでなく、電源構成や非化石証書の利用方法まで確認することが重要です。
Q. 非化石証書とは何ですか?
非化石電源が持つ非化石価値を証書として取引する仕組みです。
小売電気事業者が調達した電気と組み合わせて利用されることがあります。
そのため、非化石証書を利用している商品を見る場合には、実際の電源構成と証書によって付与される価値を分けて確認すると、サービスの仕組みを理解しやすくなります。
Q. トラッキングとは何ですか?
非化石証書などについて、どのような電源に由来する価値なのかを確認するための情報が付与される仕組みがあります。
電源の由来を重視する場合は、「非化石証書を使っているか」だけではなく、由来に関する情報をどの程度確認できるかも比較材料になります。
Q. 発電所を選べば、その発電所の電気が自宅に届きますか?
物理的にその発電所で発電された特定の電子だけが自宅へ届くという意味ではありません。
発電された電気は送配電網を通じて供給されます。
発電所や生産者を「見える化」するサービスは、電力の調達先や生産者などの情報を確認できる仕組みとして理解することが重要です。
Q. 電源構成はずっと同じですか?
電源構成は年度や時期などによって変わる可能性があります。
そのため、過去に公開された構成だけで判断するのではなく、契約を検討している時点で電気事業者が公表している情報を確認してください。
生活クラブでんきのように、調達電源種別をエリア別・月次で公開しているサービスもあります。
Q. 電力会社を変えると電気代は安くなりますか?
必ず安くなるとは限りません。
実際の電気料金は、電力使用量、使用する時間帯、季節、契約プラン、各種調整項目、市場環境などによって異なり、切り替え前より高くなる場合もあります。
特に市場連動型では、市場価格の変動が料金に反映されるため、その仕組みを理解したうえで契約することが重要です。
Q. 市場連動型の電力プランにはどのような特徴がありますか?
市場価格の動きが料金に反映されるタイプです。
LooopでんきのスマートタイムONE(電灯)では、電源料金が30分ごとに変わります。
市場が落ち着いている時期には従来の固定単価型より安くなるケースがある一方、市場が高騰した場合には高くなるリスクもあると説明されています。
Q. 電力会社を変えると停電しやすくなりますか?
小売電気事業者を変更したこと自体によって、停電しやすくなるという仕組みではありません。
家庭に電気を届ける際には共通の送配電網が使われます。
そのため、小売電気事業者ごとに別の送配電網が用意され、会社によって電気の届きやすさが変わるわけではありません。
Q. マンションでも電力会社を切り替えられますか?
個別に電力契約をしている場合は切り替えを検討できますが、建物全体で一括受電をしている場合など、契約形態によっては個別に切り替えられないことがあります。
集合住宅の場合は、現在の契約形態や管理側の条件を確認してください。
Q. 電力会社を切り替えると工事が必要ですか?
小売電気事業者を変更するためだけに、各社専用の電線を新しく引くわけではありません。
みんな電力では、切り替えに際してソーラーパネルの設置や電線の工事は不要と案内しています。
スマートメーターの状況などによって必要な対応が異なる場合があるため、申し込み時の案内も確認してください。
Q. 契約前には何を確認すればよいですか?
供給エリア、最低利用期間、解約時の扱い、支払方法、料金の決まり方、燃料調整に関する項目、市場連動の有無、再エネ賦課金などを確認しておくことが重要です。
再エネを重視する場合には、これらに加えて電源構成、非化石証書の利用状況、電源情報の公開方法や更新頻度も確認すると比較しやすくなります。
まとめ
みんな電力を含む5サービスを「料金の安さ」ではなく、「電気の中身」と「どこまで見える化されているか」という観点から比較すると、それぞれ情報公開の方向性に違いがあります。
みんな電力は「顔の見える電力™」を掲げ、契約している発電所の一覧や、発電施設周辺・設備などの情報を公開しています。また、環境破壊につながる開発行為を行っていないことや、地域住民との合意形成などについての電源調達方針を了解した発電者から調達するとしています。
ハチドリ電力は「CO2排出ゼロの自然エネルギー100%」を届けると説明して電源構成を公開し、電気代の1%が非営利活動への支援につながる仕組みを設けています。
さすてな電気は、主な電源がLNG火力であることを明記したうえで、再エネ指定の非化石証書を利用する「実質再生可能エネルギー」の仕組みを説明しています。電源構成、CO2排出、非化石証書の使用状況を確認できることも特徴です。
生活クラブでんきは、電源の8割以上が再エネと公表し、調達電源種別をエリア別・月次で公開しています。全国の発電所を紹介するページもあり、電源種別と発電所の両面から情報を確認できます。
LooopでんきのスマートタイムONE(電灯)は市場連動型で、電源料金が30分ごとに変わる仕組みです。「でんき予報」で値段の安い時間帯を確認できますが、市場が高騰すると高くなるリスクもあるため、料金変動の仕組みを理解して検討する必要があります。
電力会社を比較するときに重要なのは、「再エネ」という言葉だけで一括りにしないことです。
実際にどのような電源を調達しているのか、非化石証書を組み合わせた実質再エネなのか、発電所や生産者まで確認できるのか、電源構成がどのような頻度で公開されているのかを分けて見ることで、各サービスの違いを理解しやすくなります。
また、発電所が公開されていても、その発電所で生まれた特定の電子だけが自宅に直接届くわけではありません。家庭へ届く電気は送配電網を通じた共通のものであり、「電源の見える化」は調達先や生産者などの情報を確認できる仕組みとして捉える必要があります。
契約前には電源情報だけでなく、供給エリア、最低利用期間、解約時の扱い、支払方法、燃料調整に関する項目、市場連動の有無、再エネ賦課金なども確認しましょう。集合住宅では、一括受電などの契約形態によって個別に切り替えられない場合があります。
みんな電力は、特に「電気を誰がつくっているのか」「どのような発電所なのか」「どのような考え方で電源を調達しているのか」といった、電気の背景まで確認して契約先を検討したい場合に比較しておきたいサービスです。
電源構成は年度や時期によって変わる可能性があります。最終的には、契約を検討している時点の各社の電源情報と契約条件を確認し、自分が重視する「電気の中身」と情報公開の方法に合っているかを判断してください。